スマートフォン対応の時間要件「早急に対応を!」

 

 スマートフォンの端末販売シェアは、20115月までは3040%を緩やかに上昇していました。その後、6月に50%を超えると、10月にはauでのiPhoneの発売を受けて一気に70%を超えるようになりました。また2012年夏の新機種発表でもほとんどがスマートフォンという結果でした。僅か1年の間にスマートフォンはモバイル端末販売の主役になりました。
 この急速なシェア拡大によって、未来のスマートフォンシェアの予想も大幅に上昇修正されました。そのようなニュースを受けて、多くのサイトオーナーは、一刻も早くスマートフォン対応しなければならないと強いプレッシャーを受けるようになりました。これが、「時間要件:早急に対応を!」となっています。

  さらに細かく見ていくと、一般携帯サイトでも広く普及していたキャリアのユーザーIDを利用したサイトは、その仕組みゆえにスマホユーザーがサービスを受けられず、早急な対応が必要とされています。何もしなければユーザー減少が避けられませんが、ビジネスモデルは問題が無いので、スマートフォンの普及はむしろ追い風と捉えられます。防御と拡大の両方の意味からも、対応が可能という意味からも、最も早急な対応をとるべきサイトです。

 キャリアのユーザーIDを利用していない携帯サイトであれば、既存のモバイルユーザーをそのままスマートフォン対応サービスに誘導できる優位な立場にあるので、素早い対応によって、先行者利益をより多く享受できるでしょう。
 一方、PCサイトのスマートフォン対応については、スマートフォンではPCサイトが見えるということと、元々モバイルサイトではないということで、時間要件についてはモバイルサイトよりは緩やかです。ただし、現時点で総アクセスの1020%程度がスマートフォンになってきています。そしてECサイトなどでは使い難さからアクセスはされても購買に結びついていないという、極めて実質的な意味合いでスマートフォン対応が進みつつあります。
 PCサイトと携帯サイトを備えていても、携帯サイトはスマートフォンでアクセス不可能で、PCサイトはFlash多用というようなサイトでは、スマートフォンユーザーの行く先がないので、時間要件はシビアになります。
 様々な状況によって、まだ十分に経験値の無いスマートフォンに対して、「今すぐ」という要件がほとんど全てのサービスに対して発生していて、ユーザーもSIベンダーも、どんな選択肢が自分にあるか、非常に分かりづらい状況に置かれています。それでも、最初の選択は後々大きな影響を及ぼす為、そのサービスに最も適したサービスを選択することが重要です。
次回はスマートフォン「化」と「シフト」の違いについて書きたいと思います。

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