imgタグビーコン方式の問題点①SSL通信時
■ドコモ端末のSSL通信制限
完璧なようなimgタグビーコン方式ですが、ドコモ端末仕様の制限が立ちはだかります。ドコモ端末はSSL通信時に2つの制限があります。
★ドコモ端末におけるSSL通信時の制限
- ホストドメイン以外の画像へアクセスすることができない
- iモードID(キャリアユーザーID)を取得することができない
SSL通信領域は、会員情報登録フローや商品購入フローなど、コンバージョンに関わるWebで最も重要なページが含まれています。ドコモの制限があるとSSL通信時にはビーコンを飛ばすことができません。また、通信可能なホストドメイン上でさえユーザーIDを取得できないので、致命的な状況です。このため、多くのサービスではSSL通信には対応していません。
<SSL通信時のimgタグビーコン方式の問題>
■SSL通信の制約を乗り越える方法と問題点
いくつかのimgタグビーコン方式は、このSSL通信の制限を乗り越えるために、Apacheサーバーモジュールを提供しています。まず、IDが取れないことには手の下しようがないので、http通信時に取得しておいたIDを保存して利用できるように、リンクパラメータに付加しておきます。そうして、SSL通信時にはWebサーバー上のApacheモジュールがLogサーバーに端末の代わりに画像にアクセスしてアクセスログを記録します。
<SSL通信時のimgタグビーコン方式の対策>
この時問題となるのが、サーバー間でアプリケーションとしては本来必要のない通信が発生することです。SSL通信時には端末のアクセス毎にLogサーバーへの通信が発生するので、Webサーバーの処理能力を大幅にダウンさせてしまいます。またLogアクセスが端末からと複数台のサーバーからとの複数系統から発生するので、通信の遅延などによっては前後が入れ違うこともあります。当然、なんらかの通信障害が発生すればログが欠けてしまいます。
imgビーコン方式は、サーバ間通信という方法によってSSL問題をなんとか乗り越えられるものの、安定性と正確性において構造上の問題が存在すると言えるでしょう。