PC→SP変換を再構築方式にする条件
前トピックに書いたようにPC→SP変換をするには、更新方式よりも再構築方式の方が向いています。その理由を、更に2つほど挙げます。
1つに、スマホではPCサイトの全てを見せないケースが多く、要らない要素が大量に発生します。そうなると更新方式では、不要コンテンツを削除したり隠したりする変更ワークと、それにより必要な要素に与える影響が大量に発生し、収拾がつかなくなります。一方、再構築方式では、不要な要素は無視するだけなので、削除などによるコンテンツの複雑化はなく、逆に不要な要素が多い程、スマホ変換は安定します。
さらに、スマホとPCでは、メニューを下に持ってきたり、画像と見出しの逆にするなど、コンテンツの順番を変えたいということがよくあります。ある要素を別の場所に持ってくると、その後のツリー操作は目に見えない要素への変更をプログラミングすることになり、これでは精巧な変換は望めません。一方、再構築方式では、順序替えは単に配置する場所の指定に過ぎないので、変換を妨げることがありません。
再構築方式には大きなアドバンテージがありますが、再構築方式にするには条件があります。こ1つが、
「サーバーで完全に変換すること」
です。なぜなら、クライアント側でコンテンツ変換をするのは、ブラウザーで動作するJavaScriptであり、この変換が動作するには、まず送られてきたコンテンツでツリーを作成しなくてはならないからです。その上で、既にプラウザー上にレンダリングされている要素を操作して変換しなくてはならないので、これはコンテンツの更新操作に他なりません。
もちろんサーバーで変換するからといって自動的に再構築方式になるわけではありません。ここでは「完全に」という部分がキーワードです。全体の中から大きな要素で括り出してきて、その要素の中をクライアントJSで行う方法では、再構築方式の大きな目的である一般的なJavaScriptライブラリーやCSSを自在に扱うことができません。なぜなら、細部のHTMLが当てはまらなければ、特定のライブラリーを適応することはできないからです。つまり、換言すれば、再構築方式であるためには次のことが条件となります。
「サーバーにおいて、HTML変換を完全に終了していること。ブラウザーのJSでHTML変換をしないこと」
また、 ジーンコードが再構築方式であるのは、開発が非常にし易く、自社開発の方法として適していることが挙げられます。変換後のデザインに向かって要素を選択していけばよいので、とても直観的な開発となります。どのように簡単かは、今後のトピックとして取り上げていく予定です。