携帯電話のコンテンツ著作権対応のTips

携帯電話では待受け画像や、着ボイスといったコンテンツをサービスとして提供することがありますが、著作権を含むコンテンツの場合、転送できないようにするなど、著作権保護をかける必要があります。今回のエントリーでは、待受け画像(gif, png, jpg)について、各キャリアでどう対応するべきかについて、まとめます。

3キャリアの概要

まずは各キャリアの対応方法について、表にまとめました。携帯電話に関する知識がある方ならば、この表を見るだけで、どのように著作権保護を行うべきか理解できるかと思います。リファレンスとしてご利用ください。もちろん、表の後に詳しい説明もありますのでご安心ください。

  gif jpeg png
docomo copy="NO" copy="NO"
au kddi_copyright=on kddi_copyright=on kddi_copyright=on
※一部機種では無効
SoftBank 拡張子をjpzに変更 拡張子をpnzに変更
x-jphone-copyrightヘッダに、no-transferとno-peripheralを設定 x-jphone-copyrightヘッダに、no-transferとno-peripheralを設定 x-jphone-copyrightヘッダに、no-transferとno-peripheralを設定

docomoの場合

画像のコメント領域に再配布禁止命令を加えることで再配布の防止対応可能です。具体的にはcopy="NO"という再配布不可識別子を設定します。コメント領域を変更する際は、Multi Comment Editorのようなツールを利用するのが便利かと思います。docomoでは、png画像について、対応していないため、gif, jpgのみの対応となります。なお、iモード2.0ブラウザ対応機種からは、png画像が使えるようになるようです。
(参考)
再配布不可識別子の設定編集 – NTTドコモ

auの場合

docomoと同様に、画像のコメント領域に転送不可情報を付けることで再配布防止対応可能です。kddi_copyright=onという再配布付加識別子を設定します。auの公式情報には、gif画像に関する記述しかありませんが、同様の設定でpng, jpgでも著作権保護は可能です。

※KCP+の一部機種では、この方法では著作権保護がかからない場合があります。

※2009.6.30 追記
KCP+の場合の著作権保護対応の方法について、koreadays先輩がエントリーしています。こちらの記事もご参考ください。

(参考)
GIF画像 – 転送付加情報の付け方 – au

SoftBankの場合

画像の著作権を制御について、細かく設定可能です。再配布を防止するために、2つ方法があります。1つ目はdocomoやauと同様、コンテンツ側で対応する方法、2つ目はサーバー側で対応を行う方です。

コンテンツ側で対応する方法

対象コンテンツが、png, jpgの場合は、ファイルの拡張子をそれぞれ、pnz, jpzと変更することで、再配布を防止できます。この方法では、3GC型の機種では、端末保存と周辺機器への転送が可能、メール送信が不可能になります。C型については、周辺機器への転送が不可能になります。

サーバー側で対応する場合

例えばgif画像の場合は、コンテンツ側で対応はできません。そこでレスポンスヘッダにx-jphone-copyrightヘッダを載せることで対応します。その際、"no-store", "no-transfer", "no-peripheral"といった値で、転送設定について調整できます。"no-store"があれば、保存/送信/転送不可になります。"no-transfer"の値があれば、メールに添付不可です。"no-peripheral"は外部メモリへの転送不可になります。外部メモリに転送したファイルの扱いについては、koreandays先輩のエントリーを参考にしてください。なお、レスポンスヘッダにCache-Control: no-storeが付いていると、そもそも画像は保存できません。仕様書を確認すると、優先順位として、

  1. Cache-Control
  2. x-jphone-copyright
  3. ファイル名の拡張子やSMAF データ内のCopyStatusチャンク

となっています。
(参考)
技術資料 – HTTP編 – Mobile Creation

こういった運用が可能

今まで書いてきたことを踏まえ、現実的にどういった形で待ち受け画像を作成するのが良いか、3つのパターン挙げてみました。待ち受け画像コンテンツ作成時の一助となればと思います。

3キャリア分の画像を用意する場合

それぞれに合わせた画像を用意します。docomoは、gif, jpegのファイルフォーマットが推奨です。auについては、近年発売された機種であれば、gif, jpeg, pngどのファイルフォーマットでも問題ないと思います。Softbankに関しては、jpeg, pngが対応のファイルフォーマットが推奨です。

docomoとauで画像を共有する場合

docomoとauの画像を共通に利用したい場合、kddi_copyright=on,copy="NO"という再配布禁止命令を画像のComment Extension領域に書き込むことで、どちらのキャリアでも再配布を禁止できます。copy="NO",kddi_copyright=onと書くと、一部の機種で再配布禁止にならないので、注意が必要です。SoftBankに関しては、jpz, pnzという拡張子に変更することで、対応可能です。この場合は、待受けの画面サイズを考慮しなければ、2種類の画像で対応できます。

3キャリア全て1つの画像で共有する場合

全てgif画像で製作する場合を考えます。この場合、gif画像に対応していないdocomoの一部機種(movaの初期の機種)では、非対応となる前提があります。docomo, auに関しては、kddi_copyright=on,copy="NO"という再配布禁止命令を画像のComment Extension領域に書き込みます。SoftBankの場合は、gif画像は拡張子変更で対応できないので、レスポンスヘッダに、x-jphone-copyright, no-transfer, no-peripheralという値を設定することで、再配布を禁止することが可能です。この場合、待受けの画面サイズを考慮しなければ、1種類の画像で対応できます。

最後に

ここまで携帯電話の待ち受け画像について、著作権保護する方法や、運用の例について記述してきました。このエントリーが携帯電話の待ち受けコンテンツを作成する際の参考になればと思います。

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